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ダイエットにカロリーは関係ない!と言われても、
なかなか納得できない人は多いと思います。
そもそも、これまでのダイエットの考え方は、
摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やせば、
減量できるというのが当然の理論。
ところが、最近はいろいろなことが解明されて、
カロリーの増減だけがダイエットの全てではないということが、
実はわかってきたんですよね^^
この記事では、なぜダイエットにカロリーが関係ないのか、
その理由について詳しく説明しています。
カロリーとは何か?
まず、ダイエットとカロリーが関係ないかどうかの前に、
カロリーという言葉について考えてみたいと思います。
カロリーとは、ラテン語で『熱』という意味の単語『calor』に由来し、
もともとは、水1kg の温度を0 ℃から1 ℃上げるのに必要な熱量のこと。
(※現在のカロリーの定義では 1000 cal = 1 kcal に相当)
食事におけるカロリー
食事におけるカロリーとは、食品に含まれるエネルギー値のこと。
食品にはいくつかの栄養素が含まれますが、
カロリーを得られるのはエネルギー産生栄養素である3大栄養素だけ。
いわゆるタンパク質、脂質、炭水化物の3つですね^^
この3つのエネルギー産生栄養素質の量に対して、
アトウォーター係数という値をかけて算出されたものが、
食事におけるカロリーとして使用されています。
ところが、この方法は石炭を燃やす熱量計(カロリーメータ)に、
膨大な種類の食物を投入し、燃やすことでデータを収集。
そこから得られたデータをもとに、平均値を算出したものなんです!!
なので、実際には個人の体質や吸収率など考慮されてない、
ある意味便宜上の数値なんですよね・・・、ご存知でしたか?
カロリーとは存在しないもの?
長い間、カロリーの収支がダイエットの基本とされてきたので、
その根幹が揺らぎ始めると、ダイエットって一体どうしたらいいの?
なんて、ちょっとパニックになりそうです(・・?
そもそも、カロリーという考え方が存在するのか、
疑問すら感じてきますよね・・・。
オーガスト・ハーゲスハイマー博士の話
カロリーという概念についての疑問は、
栄養科学博士のオーガスト・ハーゲスハイマー氏の書籍
『最小の努力で痩せる食事の科学』に詳しく記載があり、
私も初めて読んだとき、かなりの衝撃を受けた記憶が・・・。
これまでのダイエットの常識が覆される内容がぎっしりで、
カロリー制限ダイエットがうまくいかない人には、
突破口が見つかるかもしれないおすすめの1冊^^
また、オーガスト・ハーゲスハイマー博士は、
還暦の60歳とは思えない若々しさで、アンチエイジングスペシャリスト。
食事で痩せるだけでなく、アンチエイジングについても
目からウロコの情報が満載です。
摂取カロリーの増減は体重に影響しない?
1990年から行われているアメリカの大規模な調査では、
20年かけて実施されて得られた結論が、
摂取カロリーと体重の増加に相関関係はないというものでした。
これは、アメリカだけでなくイギリスでも同様の結果となり、
肥満が増加しても人々の摂取カロリーに変化は見られなかったと結論づけています。
それどころか、むしろ摂取カロリーが減っても、
肥満は増加する傾向もあったんだとか!
この内容は、医学博士である牧田善二先生の著書
『医者が教えるダイエット 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』
にも記載されています。
AGE牧田クリニックの院長である牧田善二先生は、
これまで20万を診察してきた糖尿病専門医。
書籍も何冊も出版されておられ、
シリーズは80万部以上のベストセラーになるほど読まれているので、
書店で見かけたことのある人も多いかもしれませんね。
ただ、この研究結果には、さまざまな意見が寄せられているようなので、
一概に鵜呑みにはできないかもしれません。
それでも、ダイエット=低カロリーという考え方に、
多くの人が疑問をもつきっかけになるのではないかと思います。
ジャイルズ・イオ博士の理論
イギリスのケンブリッジ大学の肥満の専門家であり研究者である、
ジャイルズ・イオ(Giles Yeo)博士は、
自身の著書『Why Calories Don’t Count(カロリーを計算しない理由)」で、
カロリー計算は不正確で誤った方法だとも述べています。
ジャイルズ・イオ博士の理論は、
『人間は食物を食べていて、カロリーを食べているわけではない』ということ。
つまり、カロリー計算で理論上の計算ができても、
同じカロリーであれば何を食べても同じではないですよね。
カロリーが同じでも食材が持つ栄養素はそれぞれ違いますし、
消化と分解や吸収には必ず個人差だって生じるはず。
しかも、現在では当たり前の概念となっている、
炭水化物(糖質)1g=4kcal、タンパク質1g=4kcal、脂質1g=9kcalの数値も、
120年前の熱量計(カロリーメータ)の実験結果で算出された値が、
現在でも基準として設定されたまま!
厳密に言えば、すべての食材がその数値に該当したわけではないといいます。
だから、カロリー収支でダイエットできるというのは机上論で、
絶対的なものではないということになるですね(+o+)
ジャイルズ・イオ博士のケンブリッジ大学での講義は、
英語にはなりますがYoutubeでも再生可能なので、
気になる方はご視聴をおすすめします!
>>>ジャイルズ・イオ(Giles Yeo)博士の講義:ケンブリッジ大学
英語が苦手でも、字幕設定から文字起こしで日本語に翻訳できます。
人が太るのは糖質の摂り過ぎ
人が太るのはカロリー高いものを食べるせいではないなら、
太る本当の原因は何なのでしょうか?
実は、人が太ってしまうのは体脂肪の蓄積が原因。
そして、その体脂肪は糖質の摂り過ぎによって引き起こされます。
どんなにカロリー制限をしてもダイエットがうまくいかない人がいたり、
そもそも、食欲をうまくコントロールできないとか、
痩せても必ずリバウンドしてしまうのは、
実は本人の意志だけでなく、糖質の摂取が関係しているんですよ。
これは、糖質制限を実践している私が切実に日々感じています。
ダイエットや健康な体作りには、うまく糖質をコントロールすることが不可欠。
糖質過多がもたらす弊害はどんどん解明されていますが、
いまだに日本では糖質に無頓着な人も多いんです・・・。
これまで、人が太るのは高カロリーのせいと考えられてきたので、
人間に必要な栄養素である脂質(油)は、ずいぶんと悪者扱いされてきました。
脂質1gあたりが9kcalもあるので、
カロリーの観点でいえば悪者扱いも当然かもしれません。
ただ、脂質そのものに糖質は含まれてないので、高カロリーでも糖質はゼロ!
つまり、糖質制限の観点からすると脂質では太らないはずなのに、
体内での重要な役割や栄養面は二の次にされて、
カロリーが高いというだけで、ずっと倦厭されていたんですよね。
そうはいうものの、脂質と糖質の組み合わせのメニューは、
美味しさも倍増しするので、ついつい食べてしまいがち。
アイスクリームやケーキにフライドポテトなんか典型例ですよね。
これまでカロリー制限ばかりを考えてきた人は、
体重の数値ばかりに惑わされがちで、減らすべきは体脂肪ということをお忘れなく。
つまり、ダイエットで何を食べるか選択する場合は、
カロリーだけでなく、今どんな栄養素を食べているのかを知る必要があると思います。