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パレオダイエットのやり方は、糖質制限によく似ているともいわれますが、
食べてよいものや食べられないものが少しづつ違っているので、
糖質制限と全く同じではありません。
糖質制限のひとつとされることがも多いのですが、
日本では原始人ダイエットととも呼ばれていて、
社団法人パレオ協会代表理事の崎谷博征医師は、数冊の書籍を出版されています。
また、自らパレオダイエットを実践して8kgの減量に成功したという、
アンチエイジングブログ「パレオな男」の管理人である鈴木祐氏が出版した
『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』も有名。
この記事では、パレオダイエットのやり方や考え方、
糖質制限との違いなどについて、私が調べたことをまとめています。
パレオダイエットのやり方は原始人の食生活がお手本
パレオダイエットは、アメリカの胃腸科医ウォルター・L・ヴォーグトリン医師が、
1970年代にストーンエイジダイエットを推進したことに始まります。
このパレオダイエットは、日本では原始人ダイエットとも呼ばれていて、
名前を聞いただけでも、インパクトの強そうなダイエット方法ですよね・・・。
パレオダイエットの基本
パレオダイエットの基本は、食材をなるべくそのまま食べることで、
旧石器時代の原始人(狩猟採集民)の食生活に立ち返ることがコンセプト。
パレオダイエットに関する書籍を出版している崎谷博征医師は、
「崎谷式パレオ食事法」として実践。
そのうちの1冊『この4つを食べなければ病気にならない』では、
原始人はストレスフリーに暮らしていて、
現代人の私たちより元気で長生きだった!と述べられています。
では、なぜ旧石器時代の食生活をモデルにするのがよいかというと、
現代でも旧石器時代の食生活を実践しているという、
アボリジニやヤノマミ族、マオリ族には、
がんや糖尿病、心疾患、痛風などの現代病がほぼ存在しないんだとか。
たいていの狩猟採集民は、自然に腹筋が割れているそうで、
太った人はもちろんいませんし、
もちろんコレステロールや中性脂肪や血圧の数値も問題ナシ!
さらに、虫歯や歯周病といった悩みも
乾燥肌やニキビなどの肌トラブルだってゼロ!
そうなると、現代病改善には旧石器時代の食生活にヒントがないかと考え、
研究が始まるのはごく自然なことですよね。
実際に、旧石器時代の食生活を真似することで、
健康を取り戻す実験がメルボルン大学などで行われ、
そのダイエット効果が高く評価されたのです。
パレオダイエットと糖質制限の違いは?
旧石器時代の狩猟採集民は、現代人のように翌日に疲れを持ち越すこともなく、
日中の疲れはその日眠れば回復するといい、メンタルが強くて、
ストレスを感じることが少なかったのかも知れません。
生活習慣病や肥満に悩まされている人が現代では急増し、
社会問題になっているにもかかわらず、
旧石器時代の原始人といわれる狩猟採集民には、そんな現代病が皆無。
このあたりから、多くの人が旧石器時代の食生活と聞くと、
パレオダイエットって糖質制限ダイエットと同じかな?
と想像されるかもしれませんが、
実際は食べてよいものが少し違うので、全く同じというわけではありません。
糖質制限との決定的な違いは、
主食としての炭水化物がNGではないことと、
果物は食べてもよく、逆に豆類は栽培の必要があり、
食べるのを推奨されていないところでしょうか。
ヤノマミ族の食生活
ヤノマミ族の食生活を例に挙げると、
動物の肉や魚、キャッサバという芋のような植物のほか、
ときにはなんと昆虫!?を食べ、以外にも塩が調味料にないので、
塩分摂取も極端に少なかったといいます。
私は、塩分摂取量の高い日本人なので、塩がない生活って想像できないですね・・・。
そんなヤノマミ族は低血圧で、
だいたい最高血圧100mmHg前後/最低血圧60mmHgが平均。
個人的に私の普段の血圧と同じくらい^^
なので、ヤノマミ族は朝が苦手なのかな?とか、素朴な疑問も浮かびましたね。
パレオダイエットで食べてよいものダメなもの
穀類と家畜の肉や乳製品はNG
パレオダイエットでは、米、小麦、とうもろこしなどの穀類や、
家畜の肉や乳製品はNG食材。
ですが、日常的に簡単に入手できたであろう、川魚・貝類・甲殻類、鳥類、
小動物、昆虫、卵、葉物野菜・野草・根菜、キノコなどの菌類、
果物、ナッツ類などの食材はOKで食べることができます。
ただし、主食として炭水化物を食べてもよいとはいえ、米や小麦は当然ダメ!
砂糖やグルテンは取らないで、食べるならイモ類を主食にするようにしてくださいね。
お酒はNG
あとは、アルコール類についてですが、ひとがお酒を嗜むようになったのが、
今から1万~1万2000年くらい前からといわれているので、
旧石器時代の食生活にはアルコールはなかったものと考えます。
つまり、お酒は『ない』ものなので、飲めないことになりますね・・・。
このあたりは、お酒が好きな人には少々ツライかもしれません。
食材と調理はシンプルに
また、パレオダイエットでは、
シンプルに食材をなるべくそのまま食べることが基本。
加工食品のほか添加物や調味料が多く使われたものは、
極力食べないようにします。
もし、パレオダイエットでどんな食材ならOKなのかNGなのか、
よくわからなくなったときには、
その食材が農耕が始まる以前に存在していたか、存在していたものに近いものか、
このあたりを判断の基準にしていくとわかりやすいかも知れませんね。
ただし、原始時代には糖質を多く含む食材は、
現代ほど豊富にありませんでしたから、
糖質制限ほどではないにしろ糖質を控えることは当然必要。
ただ、糖質制限がどうしても続かなかった人や、
主食がどうしてもやめられない人には、
イモ類や果物が少しは食べられるので、
パレオダイエットなら続けられる可能性はアリそうですね。
狩猟採集民族の体重維持の秘密
原始的な暮らしを送る狩猟採集民族たちは、食事制限なんてしていません。
炭水化物を食べて糖質を摂っていても、太った人はいなかったし、
食材だって今より豊富にないはずなのに、不思議なことに、
痩せすぎず太りすぎず、きちんと体重維持ができていたのはなぜなのでしょうか?
人間は本来太らないようにできている
意外なことに狩猟採集民族は、とくに活動エネルギーが大きいわけでもなく、
消費カロリーは西洋人とあまり変わらないことも解明されているんですよね。
つまり、ベスト体重を維持するためには、旧石器時代の食生活を真似すれば、
自然に痩せた状態をキープできるヒントがあるはず!
そのヒントは、セットポイント理論という考え方にあるようで、
簡単に説明すると、本来人間が持っている体重を一定に保つ機能のこと。
なので、セットポイントが正常に機能していれば、
食欲も正常にコントロールできて体重維持が可能なんです。
狩猟採集民族は、セットポイントが正常に機能しているので肥満がなく、
それができない現代人は、セットポイントが乱れているからかも!
もし、パレオダイエットでセットポイントの乱れを整えることができれば、
現代人でもダイエットに苦しむことが少なくなるはずなので、
興味のある人は、しばらくパレオダイエットを続けてみる価値アリですね。
セットポイントについてもう少し詳しく知りたい方は、
こちらの記事も合わせてご覧ください(*^^*)