この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。
糖質制限で脳への影響を心配する人は、
糖質制限をよく理解していない人。
こういった人は『脳はブドウ糖だけがエネルギー源』と主張して、
糖質制限すると脳へエネルギーが供給できなくなり危険だというのです。
しかし、人間は糖質以外からもエネルギーを作り出すことができるので、
実はそんなに大げさな心配をしなくても大丈夫。
ですから、糖質制限で脳への影響が出ることはありません。
この記事では、脳のもうひとつのエネルギー源である『ケトン体』と、
糖質制限をしてもなぜ脳への影響がないのか、わかりやすく解説しています。
糖質制限は脳に悪影響なのか?
糖質制限による脳への影響については、しばしば議論されますが、
糖質制限で脳に悪影響が出ることはありません。
では、その理由について詳しく説明していきますね^^
否定派の意見
まず、糖質制限否定派(?)の方の、
糖質制限による脳への影響についての話をきいてみますと、
糖質制限で疲れやすくなったとか、頭がぼーっとするようになったとか、
集中力がなくなった、めまいがするなど、そんな内容がばかり。
でも、これらは脳にブドウ糖が供給できなくなったせいではなく、
正しい糖質制限を実行していないせいで引き起こされる、
いわば糖質制限の知識不足が原因。
このようなパターンの体の不調は、
単純に主食などの糖質だけを減らしてしまい、
他の栄養素を増やしてカロリーを維持しないので、
カロリー不足に陥って不調を感じることに・・・。
なので、たいてい正しく糖質制限を実行するように改めてもらえば、
ほとんどの人は不調から抜け出せることが多いのです。
脳が糖質以外に利用できるもの
そもそも、脳のエネルギー源になるのは、
糖質(ブドウ糖)だけではありません。
実はケトン体というもうひとつのエネルギー源も
脳は利用することができるんです!
ふ~ん、脳には糖質とケトン体の
2つのエネルギー源が使えるんだね。
つまり、人間は糖質を摂取できなくても、
ケトン体を利用して脳にエネルギーが送り込めるので、
糖質制限をしたからといって、脳への影響が出ることはないのです。
糖質がなくても脳はきちんと働いていけるので、
今まで糖質制限に不安を持っていた方も、
安心して糖質制限で健康を管理していただければと思います^^
糖質制限のもうひとつのエネルギー源
さきほど、人間の脳はブドウ糖以外にケトン体という、
もうひとつのエネルギーを利用できるとお伝えしました。
でも、ケトン体って聞き慣れない名称なので、
一体『ケトン体って何?』という人は多いかもしれません(+o+)
脳のエネルギーになるケトン体
ケトン体というのは、
脂質を利用して肝臓で作られる物質のこと。
糖質制限を始めると、体は糖質中心のエネルギー代謝ができなくなるので、
エネルギー代謝を糖質中心から、脂質中心にシフトチェンジします!
たとえば、イヌイットのような人々は、
穀物も育たない厳しい地域で生きているため、
生肉のほかに、完全な脂肪食を摂ることがあるんですね。
そんなときには、脳も半分以上のエネルギーをケトン体から得ているんだとか。
これまで、一般的に脳のエネルギーといえばブドウ糖で、
ブドウ糖こそメインエネルギーだと考えられていました。
それゆえ、脳に糖質は必須の栄養素であって、そこに疑いの余地はナシ。
ところが、最近では原始時代のような生きるのが過酷だった時代には、
飢餓に備えて糖質ではなく、ケトン体がメインエネルギーだったのでは?
そんな仮説が生まれてきたのです!
宗田哲男先生の『ケトン体が人類を救う』から学んだこと
このあたりのことは、宗田マタニティクリニックの宗田哲男先生の著書
『ケトン体が人類を救う』に、とても興味深い内容が記されていますので、
詳しく知りたいという人には、ご一読をおすすめします^^
宗田先生も書籍の中で語っておられますが、
人間が700万年の長い人類の歴史の中で、
穀物(糖質)を主食として定住し始めたのは、まだほんの1万年前のこと。
それまでは、狩りをして小動物などを獲って、川で魚を捕まえ、
木の実や雑草を食べていたので、
十分な糖質をエネルギーにはできなかったと推測できますよね。
だから、人間はずーっと何百万年もの長い間、
ケトン体をメインエネルギーとして生きてきたのに、
ちょっと前の1万年くらいの間に、
エネルギーの主役を糖質にとって変わられてしまったんです!
さらに、糖質はなかなかズル賢くて、
人間に幸福感を与えて依存させてしまいます!
でも、疲れたら甘いもの食べたらいいって言うし、
それも、糖質の依存なの?
そのとーり!
糖質の依存度って超強力なんですよ(><)
摂食障害も実は糖質依存が関係しています。
恐ろしいことに、糖質を食べると一時的な幸福感を感じますが、
食べれば食べるほど依存度を上げ、
糖質を食べたいという欲求は、いつの間にか無限ループに!
大昔は糖質はかなり希少なものだったため、
もともとケトン体がメインエネルギーだったはず。
ところが、糖質の驚くべき依存性と即エネルギーにできる瞬発力、
加えて安定供給できるようになったことが原因で、
現在はあまり使われなくなってしまったんです・・・。
でも、ケトン体のほうがブドウ糖より時速力があり、
燃費もいいのでなかなか優秀なエネルギー源。
なので、活用しないのはもったいないんですよ。
糖質制限の不調はケトフルーを疑え!
脳に影響はないことはわかっても、
厳しい糖質制限を実行している人の中には、
正しく糖質制限を実践しているのに、頭痛が治まらないとか、
吐き気や倦怠感などの不調がしばらく続いてしまう人も。
そんな人は、人間が生まれながらにして持っている、
ブドウ糖以外のエネルギー源であるケトン体を
うまく利用できてない可能性があるんです。
ケトフルーに悩まされた:私の場合
実は、私もケトン体をうまく利用できずに、糖質制限を開始した当初は、
とてもつらいくて苦しい日々を過ごしたんですよね・・・。
これは、『ケトフルー』と呼ばれる現象で、特に治療法などがないので、
ただ嵐が過ぎ去るのを待つような心境で、毎日をやり過ごすだけ。
ケトフルーのつらい症状は、ブドウ糖以外のエネルギー回路である
ケトン体回路がうまく機能し始めると治まるというのですが、
その個人差は大きくて、短い人で1週間、
長い人で2か月以上も続く人もいるんだとか・・・。
私は、金森式を実践していたこともあり、ほぼ断糖の毎日。
ケトフル―の状態が長く続いてしまい、
本当に毎日辛くて仕事もままならず、
何度も糖質制限を挫折しかけていましたね・・・。
もし、スーパー糖質制限など厳し目の糖質制限を正しく実践しているのに、
体に不調を感じる時は、脳への悪影響ではなく、
ケトフルーの疑いがあるかもしれません。
とくに、若い頃にダイエットを長期間続けていたり、
低カロリーを意識しすぎて、
タンパク質や脂質をかなり制限していたという人は要注意。
どうしても、ケトフル―の症状に耐えられない人は、
少し制限を緩めて、気長に糖質制限を継続するのもひとつの対策。
それでも、ケトフルーを抜けると快適な日々がやって来ると信じて、
根性論で我慢強く耐えてしまう人も・・・。←私です(-_-;)
このあたりは、ご自身の体調に合わせて無理をしすぎず、
様子を見ながら糖質制限をすすめてくださいね。
健康になりたくてダイエットをしているのに、
体を壊してしまっては本末転倒です。
糖質制限で脳が冴える?
私は社会人になってからというもの、
昼食を軽めにする生活スタイルだったのですが、
それは糖質制限に出会うずっと前からの習慣。
なぜ、そのようになったかというと、
昼食を食べると午後からの眠気がひどく、
仕事に差し障るので、自然とそのような生活スタイルとなっただけ。
ただ、糖質制限を勉強してから、もう一度この現象について考えてみると、
当然といえば当然のことだなと、妙に腑に落ちたんですよね。
ランチ後の眠気は糖質が原因
昼食を食べたときの恐ろしいほどのあの眠気の正体は、
以前は単なる食べ過ぎだと思っていたのですが、
糖質制限を勉強してからは、紛れもなく糖質の仕業だと理解したんです。
ランチと言えば安くてお腹がふくれたほうが、
お店側にも顧客側にもメリットは大きいので、
必然的に安価な炭水化物の比率は上がりますよね。
コンビニでのパンやおにぎりのみのランチや、
カレーや丼ものにパスタやラーメン、
うどんにそばなんて、まさに糖質のオンパレード(@_@;)
これでは食べ終わったそばから眠くなるのも当然。
ところが、現在の私はほぼ糖質は摂らない生活なので、
午後からの眠気は全くナシ!
しかも、月末の忙しい時は、朝からぶっ続けで夕方まで働いても、
集中力は持続しますし、スタミナ切れも起こしませんし、
自分でもちょっと驚くほど脳が冴えているんです。
むしろ、30代よりもキレキレで元気なくらいなんですよ(*^^*)
学生時代に知りたかった糖質制限
最近、そんな私は糖質制限を学生時代に知っておけばよかったなと、
少し残念に思うことも・・・。
なぜなら、お弁当で糖質を控えていたら、
5限目であんなに居眠りすることもなかったはずだし、
ダイエットに苦しむこともなかったかもしれないし、
受験勉強ももう少しはかどったのではないかとか、色々後悔(。ŏ﹏ŏ)
大学受験失敗組なので、もしかすると志望校にも合格できたかもとか、
それも今となっては、後悔先に立たずですが。
最近なんだか脳が冴えないし、仕事の効率もよくない、
体力も落ちてきたという人は、一度、昼食の糖質を控えて、
別の栄養素でお腹を満たしてみてはいかがでしょうか?
おそらく、午後からの脳の冴え具合に、
ちょっとした快感を覚えてしまうかも知れませんよ^^