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糖質制限は危険というのは嘘なのか本当なのか?
世間では糖質制限反対派の方々によって、
糖質制限が危険という嘘が、現在でも独り歩きしています(^_^;)
糖質制限は危険でないと科学的に証明されているはずなのに、
なぜ、このように情報が2極化するのでしょうか?
この記事では、糖質オフアドバイザーの資格を取得した私が、
これまで学んできたことをふまえて、
糖質制限が危険という嘘について、Q&A形式で徹底解説していきます!
糖質制限は危険という否定派の主張
糖質制限の正当性は海外でも証明されていて、
アメリカでは栄養指導のひとつとしても認められています。
たとえば、米国糖尿病学会(ADA)の患者への教育用テキストブック
『Life With Diabetes(2004年度版)』には、
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである・・・」という記述も!
もちろん日本でも糖質制限はブームになっているのに、
いまだに糖質制限が危険と主張する否定派の人がいるのは、
一体どうしてなのでしょうか?
糖質制限は危険という嘘を詳しく解説
糖質制限が危険だと論じる人の主張は、だいたいお決まりのパターン。
私がこれまで見てきたものをまとめてみると、
ざっと5つくらいに分類できますね。
Q2、脳は糖質(ブドウ糖)しかエネルギーにできないため、不足すると頭がぼーっとする
Q3、タンパク質を多く摂るようになるので、腎臓に負担がかかる
Q4、糖質制限は長くは続けられず、やめたらリバウンドする
Q5、糖質制限をはじめるとお通じが悪くなる人が多い
これらはもっともらしい主張ですが、
糖質制限の科学的根拠と理論がわかっていれば、きちんと論破できる内容ばかり。
では、ひとつづつ解説していきましょう^^
糖質は人間の大切なエネルギー源
糖質を摂らなくても基本的には体に不調は出ない。
ただし、ケトン体回路にスイッチを入れにくい人や、
糖質だけ控えてタンパク質や脂質を増やさず、カロリー不足に陥った人が、
体調を崩してしまうパターンは考えられます。
また、ケトン体回路がうまく回りだす前には、
ケトフルーという症状が出ることもあります。
ケトフルーの症状は個人差が大きいので、
中には日常生活にまで影響する人や長引く人までさまざま・・・。
私は、ケトフルーによる吐き気と頭痛がひどく、
実は過去に何度も糖質制限を諦めようとした経験がありますが、
現在は、ケトフルーも治まり、体調不良もなく快適に生活できています^^
脳は糖質(ブドウ糖)しかエネルギーにできない
正確には、人間には糖新生という機能があるので、
糖質を控えても別の栄養素から体内でブドウ糖を作り出すことができます。
まれに、糖新生で筋肉や骨の成分が減っていくという主張をされる方もいらっしゃいますが、
糖質を控えてタンパク質と脂質を増やしていれば、その辺の影響は出にくいはず。
なぜなら、糖新生で利用するのはアミノ酸(タンパク質)と脂質なので、
意識して多めに食べていれば、筋肉や骨の成分まで利用する必要がないからです。
このあたりの話は別の記事でも詳しく解説していますので、
そちらも合わせてご覧くださいm(_ _)m
タンパク質の過剰摂取で腎臓に負担
ただし、通常は1日に体重の1.0~1.2倍程度なら、
健康な人であれば気にせずタンパク質を摂っても問題ありません。
また、アスリートの方やスポーツを日常的にされているなら、
タンパク質は体重の2.0倍は必要だともいわれます。
ほとんどの日本人は、むしろタンパク質は足りてない状況で、
メガビタミン療法の藤川徳美先生の話によると、
タンパク質を1日に体重の4.4倍まで摂っても人体には影響はない!
とおっしゃっていますが、そんなに摂るのは物理的に難しいレベル・・・。
これがどのくらいの量になるかというと、
いきなりステーキさんのリブロースステーキ300g食べても、
摂取できるタンパク質は75.2g。
つまり、体重50kgなら、50✕4.4=220gで、
タンパク質を220gまで食べても大丈夫という計算ですが、
800g程度もステーキ肉を食べるのってなかなか大変そう(^_^;)
肉200gと卵3個程度では、
腎臓はいじめられたりしませんからご安心ください。
ただ、糖質制限の開始直後やチーズをよく食べている人は注意が必要。
この場合は、体がつりやすくなっているので、
意識して多めに水を飲んだり、マグネシウムやビタミンB1を補給するのがおすすめ。
私も開始直後は睡眠中に足がよくつって、
生まれてはじめてこむら返りを体験!
つらい思いを何度もしましたが、体が次第に慣れていくので、
同じ食生活でもそのうち不快感は消えていきます、不思議ですね。
糖質制限は継続しにくく、リバウンドする
勝手に決めつけるのはいかがなものでしょう。
ダイエットとはそもそも食生活を改善することであって、
減量成功は通過点でありゴールではないはず。
せっかく減量しても、食生活を改善せずに元に戻せば、
リバウンドするのは当然のこと。
それは、何も糖質制限だけに限ったことではありませんよね。
もちろん、糖質制限は続けていても問題ない食事療法。
これは、宗田マタニティクリニックの宗田哲男先生の著書
『ケトン体が人類を救う』には、下記のような内容の記述があります。
「お母さんのお腹で成長している赤ちゃんも、
糖質をエネルギーにしてなくて成長していますし、
最初に赤ちゃんがおかゆなどの離乳食を嫌がるのも、
もともと人間は糖質を必要としていないからではないか?」
そんな赤ちゃんには、離乳食にお肉をすりつぶして与えると、
意外なことに喜んで食べてくれるんだとか!
糖質制限で便秘になる
むしろ、私は今まで野菜や豆を食べすぎていたようで、
糖質を控えて脂質をしっかり摂るようになってからは、
腸内環境が改善されて、お腹の張りや不快感がなくなって快適に\(^o^)/
お通じに対するアプローチは、食物繊維を取りすぎてもダメ。
単に野菜を食べればいいというわけでもなかったんですね・・・。
それでも、不快な人は意識的に多めに水を飲んでみてください。
糖質制限では、本来体内で水分と結びつくはずの炭水化物を減らすので、
どうしても体内での水分保有は減ってしまうのです。
また、私はヨーグルトも苦手で食べていませんが、特に影響はなく、
ビタミンCパウダー入りの水をこまめに飲んだり、
チーズを食べた日はマグネシウムを多めに摂取することも意識。
さらに、MCTオイルを1日大さじ2杯も摂れば、
腹部に不快感はなく調子がいいと感じていますよ。
また、マグネシウムを入浴剤代わりに入れて、
経皮吸収するのも有効で、最近はとくに注目されています。
関節痛にも良いと聞きますし、体もぽかぽかして安眠できるので、
私も最近ハマっています^^
だいたいこのように解説してみましたが、
糖質制限が危険でないことはご理解いただけましたでしょうか。
研究期間が浅くエビデンスが不足
確かに、糖質制限の研究はまだ浅いので、
長期的に見るとエビデンスが足りないというのは事実かもしれません。
極端に実践して自己流で続けてしまうと、健康を害するという意見もあったり・・・。
確かに、遺伝と体質には個人差がありますし、
糖質制限を実践しても体が心地よいと感じなければストレスが増えるだけ。
ただ、否定的な主張をする人に限って、
ご自身で実践されてない人が多い気がするのは気のせいでしょうか。
糖質制限が合わないと思えば、続けなければよいですし、
ダイエットを達成したら、厳格な実践はやめて気楽に続けてもそれは自由。
糖質制限が合っても合わなくても、
からだの声が聞き取れるような、健康のきっかけ作りになればとも思うので、
否定されても話題になるのは逆に良いことかもしれません。
糖質制限と日本の栄養学と予防医学
江部先生もご自身の著書で語っておられましたが、
残念ながら日本では栄養学の地位が低いのが現状。
日本の医学部では、病気を治療することは学んでも、
栄養学について学ぶ機会は、カリキュラムとしてないのだとか。
しかし、海外では栄養学は医師にとっても非常に重要な学問という認識のもと、
医学部でも人間栄養学という分野をきちんと勉強するのだそうです。
海外では、科学的に栄養面から人々の健康を治療または予防し、
維持や増進することを医療の一部として考えているんですね。
一方、日本の医学会はどうでしょうか。
栄養学はないがしろにされて、治療は投薬をもってするものだと、
医療現場では当たり前のように大量の薬が処方されます。
私の祖母は、晩年大量に薬が処方されるようになってから、
思うように動けず、日に日に元気がなくなっていきました。
私はそんな状況を目の当たりにして、とても不安を覚えます。
だって、病気なんてしないほうがいいし、
薬だって本当は飲まないほうが、体には良いはず!
それなのに、普段の生活習慣をないがしろにして、
病気になってから薬だけでどうにかしようとするなんて・・・。
病気になって生活習慣を見直すならまだしも、
薬を飲むだけで現状を変えようともしない人を見ると心配です。
日本でも、もっと個人が栄養学や予防医学に積極的に取り組めば、
江部先生がおっしゃるように医療費の大幅削減が実現して、
健康な人生を過ごせる人が増えるのではないかと、私も思っています。
たとえ、日本が長寿国だと言われていても、
本当に長生きしながら健康に生活できている人が少なければ、
それは単なる医療の延命措置ではないでしょうか。
知識の思考停止が健康を妨げる
個人的には糖質制限が危険という主張をすることで、
糖質制限が正当化されると困る人々を守っているのでは?
実は、そんなしがらみも理由のひとつだと思いますね(゜-゜)
その後、江部康二先生の著書『江部康二の糖質制限革命』を拝読し、
さらにその思いが強くなって、日本の現状をとても残念に感じました。
糖質制限が危険という人は、新しい情報に耳を傾けず、
知識が過去のままで思考停止しているのではないかと思います。
もし、その思考停止した状態が、
誰かの健康を妨げるといった結果を生んでいるのなら、
そんな悲しいことはありませんよね。
山田先生の事例
以前、北里大学病院の山田悟先生のコラムか本で読んだのですが、
山田先生は糖質制限の効果について、
日本で2012年に論文を発表していたそうですが、
それを日本の糖尿病研究機関は認めなかったんですね。
そのことに失望した山田先生は、
多くの人の意識を変えてもらうためには、
外堀から埋めるしかないと発想を変えて立ち向かったんです!
その後、ロカボ協会を立ち上げて、各企業と提携しながら、
ロカボ食品(低糖質商品)をどんどん世の中に広めていったのだとか。
今では、たくさんのロカボ商品を店頭で見かけますね。
医療費削減の可能性
実は、糖質制限には患者の健康以外に、
医療費削減というとても大きな可能性も背負っているんですね。
実際に、糖質制限を実践する人が増えて、
健康を取り戻したり健康を維持できれば、
医療機関を訪れる人は減り、それに伴って薬を処方することも減るので、
かなりの医療費削減効果が期待できると言われているんです・・・。
この医療費削減については、山田先生以外にも江部先生をはじめ、
ほかの多くの医師の方が書籍などで語られておられ、私も全く同感です。
残念ながら、医療の財源も湯水のように湧いてくるものではありませんから、
多くの人がWINWINになれるような関係性が、
少しでも早く構築されることを願うばかりです。