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人間に糖質は本当にいらないのか?という質問について、
『糖質はエネルギー源ではあるが、必須栄養素ではない。』
この考え方が、糖質制限を実践している人の回答です。
でも、糖質制限を学んでない人からすれば、
「何言っているんだ?人間にとって糖質は重要なエネルギー源だ!」
と反論を主張され、逆にお叱りを受けるかもしれませんね。
それでも、糖質制限を推奨する人や実践している人は、
糖質だけが重要なエネルギー源とは考えていないのです。
私も糖質制限関連の書籍を何十冊も読んできましたが、
どの先生方もおおよそこのような立ち位置でしょう。
この記事では、人間に糖質は本当にいらないのかという疑問について、
私が学んだ糖質制限の理論と合わせて、なるべくわかりやすくまとめています。
人間に糖質がいらない理由
人間にとって、糖質はたしかに重要なエネルギー源ですが、
糖質をエネルギーとしはじめたのは、人間の歴史から見たら短く、
つい最近の話と言われたら驚かれますか?
実は、人間の祖先はそもそも糖質(穀物などの炭水化物)なんて、
ほとんど食べていなかったんですよね。
そこで、人間の2つのエネルギー源を説明する前に、
人間の祖先がどのような食生活をしていたか、考えてみたいと思います。
人間の祖先は何を食べていたか?
人間の祖先は、マンモスを追いかけて移動したといいますし、
氷河期で食料を求めて移動し、そこで木の実や雑草を食べ、
小動物や川魚を獲って生き延びてきました。
つまり、人間の祖先たちの基本の食生活は、
農耕ではなく狩猟が中心だったんです。
狩猟中心の食生活では、穀類などの糖質はめったに手に入ることはなく、
何かで偶然糖質を手に入れた時は、
貴重なエネルギー源として使われたことだと思われます。
それが、人間も進化の過程で、穀物を栽培し始めて定住するようになり、
次第に栽培が安定して、糖質というエネルギー源を確保することができるように。
つまり、人間の祖先は、糖質以外のエネルギー源として、
以前から脂質中心のケトン体回路と呼ばれる、
エネルギーの循環システムを利用していたんです。
人間の糖質の処理能力は低い
人間の祖先である原始人は、
脂質からケトン体回路を使ってエネルギー源を作り出していたので、
実は、現在でも人間は糖質をたくさん処理できないんです!
人間の糖質の処理能力は、
なんと1回あたりせいぜい15g程度。
まさか、毎食ご飯を食べてたよ!?
糖質をたらふく食べるのに、糖質をたくさん処理できないって、
ちょっと衝撃の事実だと思いませんか?
この量、びっくりするくらい少ないですよね。
15gなんてご飯3分の1杯も食べれば軽くオーバー(汗)
でも、糖質制限関連の書籍で白澤卓二先生もおっしゃっていますし、
糖質で人間が太ることからも、かなり信憑性の高い話です。
人間にはエネルギー源が2つある
ここまでまとめてみると、
人間にはケトン体というエネルギー源と、
糖質(ブドウ糖)というエネルギー源の2つを
実は生まれたときから持っていました。
そして、本来はその2つをエネルギー源として利用していたんですね。
ところが、いつの間にか糖質が安定して供給されるようになったので、
即エネルギーに変えられる、便利な糖質ばかりを利用するようになってしまい、
燃費の良いエネルギー源であるケトン体を使う機会が、
いつの間にか全く失われてしまったんです。
穀物を食べても肥満が少なかった理由
人間の祖先が、穀物などの炭水化物を食べるようになり、
糖質をエネルギー源として活用しはじめても、
もちろん高度に精製された糖質を食べていたわけではないですよね。
糖質は脳に美味しいと認識されるので、昔はとても貴重なもの。
とくに白米は、なかなか庶民は口にできないもので、
今よりも糖質の摂取量はもっと少なかったと推測されます。
ただ、豪族や貴族などの一部の特権階級の人々の中には、
糖尿病と思われる症状に悩まされた人もいたようで、
そんな昔の記録からも、糖質の怖さが伺い知れますね・・・。
また、昔は現代よりも圧倒的に生活は不便で、
便利な文明の利器などないので、人力によって多くのことが賄われていたはず。
日常はものすごく体を動かすことが多かったでしょうし、
そんな生活の中では、余剰の糖質など溜め込んでいる余裕などなかったでしょう。
万が一たくさん糖質を獲ったとしても、
即エネルギーとして消費してしまったはずで、
だからこそ、昔の人間はまだ太らずにいられたのだと思います。
現代人は圧倒的に糖質過多
文明や産業が発展する前は、糖質を食べていたとはいえ、
精製度が低かったり、庶民は量を食べられなかったりして、
現代ほど手軽に糖質を食べられる状況ではなかったはず(~_~;)
でも、今や安価で精製度の高い小麦を原料としたパンや麺類なら、
スーパーやコンビニでもいつでも手軽に購入できて、
むしろ食べる機会は増えていると感じます。
でも、最近は米を食べる量が減っているから、
米が太るもとではないって主張もあるよね。
確かにそんな主張もありますが、
糖質は砂糖やお米だけではないし、
パンや麺類なんかは手軽に食べれますよね。
つまり、現代人はどうしても糖質過多に陥りやすいのだと思います。
極端にカロリー消費が少ない
現代の生活を見渡してみると、
暑過ぎたり寒すぎたりしてもエアコンや暖房器具があり、
遠いところまで出かける場合や疲れたと感じたら、
自分を運んでくれる乗り物もあります。
毎日の家事をするにしても、便利な家電製品もあり、
大掛かりな作業も、たいていのことは機械やコンピュターで処理。
現代社会において人間は、ほとんど自分がからだを動かさなくても、
用事も仕事も済んでしまうことに慣れてきっていますよね(-_-;)
手軽な食品は糖質が多い
その上、高度な精製食品が多く出回り、
たいていそれは安価で手に入りやすく、
しかもどこでも手軽に食べることができてしまう・・・。
これでは、圧倒的に糖質過多になってしまいますよね。
だって、本来は15gしか糖質を処理できないんですから、
摂りすぎた糖質は余る一方で、人間の本来の機能として、
ブドウ糖はひとつも残らず体内に蓄積されるばかり・・・。
なので、現代の人間には糖質はいらないというか、
糖質なら主食などの炭水化物をわざわざ食べなくても、
他の食材からも少しづつ摂取できるので、
わざわざ糖質を食べる必要はない、
という考え方があってもよいのではないでしょうか。
糖質過多が引き起こす病気
糖質過多に陥ると、生活習慣病や慢性疾患にかかるリスクが上がります。
これまでの研究から、こういった病気の症状は、
糖質を控えることで緩和されたり、改善されることが多いので、
現代人を悩ます病気の根本は、糖質が原因ともいわれるまでに・・・。
現代人を悩ますあらゆる病気は、さきほどお話したように、
糖質を断つことで改善されていくことが多いので、
それを実際に自分の体で体感した医師の方々は、
ごぞって糖質制限を推奨されていますね。
糖質制限の書籍には説得力あり
現在、出版されている多くの糖質制限の書籍の多くは、
医師の方はもちろん、栄養士の方、一般の方も含めて、
ほぼ、ご自身の実体験から確証を得て執筆されているものがほとんど。
なので、私はこんなにも多くの人が実践して、
成功や失敗を乗り越えた説得力のある食事法の書籍は、
ほかにないのではないかと思うほど。
内容にも説得力があり、日本はともかく、
世界で実証されている方法なので信憑性も高いです。
糖質制限で予防できること
例えば、がんやアルツハイマー症なども糖質を控えることで予防できたり、
症状改善に役立つといった書籍が多く出版されていますし、
実際にそういった治療を行っている先生や病院もあるほど!
また、最近は糖尿病の第6の合併症といわれる歯周病も、
糖質を控えることで改善されることがわかってきました。
>>>歯周病と糖尿病との関係性について(e-ヘルスネット)
私の例でお話すると、私は糖尿病ではありませんが、
小さい頃からお菓子ばかり食べていたので、歯が弱くて虫歯だらけ。
当然、大人になっても歯の状態は悪く、
歯茎もあまり健康的ではなかったんですね。
それが、不思議なことに糖質を控えるようになってから、
歯医者に通うことが少なくなったんですよ。
それで、たまに定期検診に行くと、
なぜか「よく歯磨きできていますよ」と褒められるように(笑)
実際には、歯磨きの仕方などかえておらず、ただ糖質を控えただけで、
何なら疲れてちょっと寝る前の歯磨きを忘れたことだってあるくらい(^_^;)
ただ、それでも翌日の不快感はあまりないんですよね。
なんか、あまりきれいな話じゃなくてスミマセン・・・。
でも、糖質を控えているせいで、口の中もヌルヌルしたりしませんし、
以前と比べると本当に口腔内環境が快適なんです。
糖質をもし摂り続けたらどうなるか?
もし、私が以前のまま現代の食生活を改善せず、
パンが大好きなまま、毎食主食を摂っていたとしたら、
1日の糖質量は軽く300g以上になってしまい、
圧倒的に糖質過多になって、何かしらの症状が出ていたと思います。
糖質過多は悲劇ばかり引き起こして、良いことなどないと思うのですが、
しいて言うならば、糖質を食べることによって、
一時的に幸せな気持ちにはなれるでしょう。
ただし、その一時的な幸福感は、長い目で見ればリスクしかありません。
この記事で、人間は糖質を摂らなくても元気に活動できるとわかれば、
控えることで病気のリスク回避にもなることがご理解いただけると思います。